編集者 多田智美の偏愛紙製品
「編集」という単語は理解できても、内包する意味を説明できるかというととても奥深く一言で表現するのは難しそうです。
大阪の編集事務所「MUESUM」のWebサイトにはこのように書かれています。
「わたしたちは「編集とは、夜空の星を結び、星座を名づけるような行為」と考え、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
夜空の星を少し思い浮かべてみてください。まわりが明るいとき、なかなか星は見えてきません。
でも目を凝らしたり、場所を変えたりすることで、
それまで存在にさえ気づけなかった星たちが浮かび上がってきます。
派手で強い発信のとなりで、ひっそりと輝く魅力や
ほんとうに大切なことを取りこぼしてしまわないように。
一見結びつかない点と点をつなぎあわせて新たな価値や驚き・喜びを生み出せるように。
わたしたちの編集は、きちんと「見ること」からはじまります。」
代表の多田智美さんの仕事を見ていると、この言葉の通り凝り固まった考え方や姿勢を解きほぐし、あるいは離れたところにある点をつないで編み込むような作業を垣間見ることができます。そしてその作業の中で、ぽっと点灯した蛍のような光を大切に見つめていくような視点を感じます。
近年は、編集事務所のみならず、出版社まで共同で運営されています。
どの仕事でも紙と関わることが多そうな多田さんに、「偏愛」している紙製品を伺いました。
「箸袋」だそうです。
「食事しながらの楽しいお話、対話により引き出されるアイデア💡などなど、きゃー、これは残しておきたい! だけど、ICレコーダーやメモ帳を取り出すのは野暮やな〜。そんなとき、いつも箸袋やペーパーランチョンマット、ペーパーナプキンなど食卓の紙製品に助けられています。写真は、共著『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(2014/誠文堂新光社)の構想中の食事中に書いたメモ📝です!」
とのこと。
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なるほど〜! そう思うと箸袋ほど多彩な二次利用をされているものはないかもしれませんね。折り紙したり、箸置きにしたり、メモになったり……。
文具メーカー・箸袋メーカーの方、何か商品開発のヒントが隠されている気がします! まさに目から鱗の楽しい紙製品情報をありがとうございます!
さて、そんな多田さんがお気に入りで使っている大成紙器製作所のアイテムもお伺いしました。
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「PICTURE BAR」
「お花の生け替えをするように、フライヤーや小さなアートワークを傷つけずに飾れるので、重宝しています。私にとっては花瓶のような存在です!」
素晴らしい表現でお答えいただき、ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。
PICTURE BAR|商品ページ
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多田智美
編集者/株式会社MUESUM代表/株式会社どく社共同代表
1980年生まれ。龍谷大学文学部哲学科教育心理学専攻卒業後、彩都IMI大学院スクール修了。「出来事の創出からアーカイブまで」をテーマに、アートやデザイン、建築、福祉、地域にまつわるプロジェクトに携わり、紙やウェブの制作はもちろん、建築設計や企業理念構築、学びのプログラムづくりなど、多分野でのメディアづくりを手がける。
共著に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社、2014)、『ローカルメディアの仕事術』(学芸出版社、2018)など。