クリエイティブディレクター/デザイナー 辰野しずかの偏愛紙製品

 

KORAI 水の器 – Hydrangea(HULS Inc.
手吹きガラスの水の器。日本の庭に置かれた水鉢のように、暮らしの中で風や光を感じるための作品(Photo:Masaki Ogawa

 

プロダクトデザインを中心に、家具やファッション小物、生活用品まで国内外でクリエイティブディレクター/デザイナーとして、幅広く活躍されている辰野しずかさん。

ものづくりの背景をときほぐし、技術に宿るその会社が育んできた文化や、働く人の人間性にまで寄り添う仕事に、強い信念を感じるデザインがとても魅力的です。

 
Photo:Gottingham

近年は、草木染めの技法と「飴」を用いた作品を展示する「A moment in time-ume」展を開催。それぞれの梅から抽出した色でかたちづくられた透明な飴は、会期中に形を変え、また土に還るというもの。美しく紡がれた時間を封じ込めた色や形。形を変えて、消えたあとも人の記憶の片隅にずっと残る素敵な作品は、とても話題になりました。


 

Photo:Gottingham

そんな辰野さんにも「偏愛」している紙製品をお伺いしました。

「モレスキンのクラシック ノートブック」

とのこと。

「かれこれ10年以上使い続けているノートです。あまりにもこればかり使いすぎだと思い、違うノートに変えてみたこともありましたが、結局戻ってきてしまいます。

ここ数年は、特に9x14 cmのソフトカバーのタイプを使うことが多く、外出先のメモやスケッチに重宝しています。フォーマットもしっかりしていてデザインも良いので、増え続けているノートを収納している場の佇まいもきれいです。」

増え続けるノートの佇まいが美しいのは、とても素晴らしいですね。適量生産で作り手と使い手が循環していくことが、ものづくりの本質だと考える辰野さんらしいエピソードです。ちなみにモレスキンには「モレスキンタワー」という言葉があるそうです。使い終わったノートを積んでる様子も独特な佇まいで雰囲気があることからユーザーの間ではこう呼ばれているそうです。

大成紙器製作所の商品でお気に入りのものもお伺いしてみました。

「POCHI–PON」

 

開けた時のポンッという音が楽しくて好きです。これにお金以外にも何かを入れて人にあげてみたいです。」

POCHI–PONは筒型のぽち袋で、お札を丸めて入れることができるアイテムですが、型崩れしにくい紙管の技術でできているので、2次利用される方がとても多いです。小物入れや、ばらばらとする旅行用品などをまとめたり、一筆箋を入れたり……辰野さんが中に入れてみたものをまたお聞きしたいですね!

これからも辰野さんの活動が楽しみです!

モレスキン クラシックノートブック|商品ページ
POCHI–PON|商品ページ



 

辰野しずか

クリエイティブディレクター / デザイナー 1983年生まれ。ロンドンのキングストン大学プロダクト&家具科を卒業。デザイン事務所を経て、2011年に独立。2017年より株式会社 Shizuka Tatsuno Studioを設立。家具、生活用品、ファッション小物のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、ブランディング、付随するグラフィックデザイン、アート製作など様々な活動を国内外で行っている。

https://www.shizukatatsuno.com/

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